スペイン文学

翁草

カルデロン・デ・ラ・バルカの『現世の大演劇』

ペドロ・カルデロン・デ・ラ・バルカ(1600 – 1681)の作品は、すでにこのコーナーでも『人生は夢』、『サラメアの村長』および『驚異の魔術師』をご紹介しました。彼はイタリアとフランドルで兵士となり...
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ブレトンの戯曲『田舎者』

19世紀のロマン主義演劇の作家として知られるマヌエル・ブレトン・デ・ロス・エレロスの戯曲『一度死ねば分るよ』は先にご紹介しましたが、今回は当時やはり大成功を収めた同作家の『田舎者』と題する喜劇です。喜...
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アラルコンの『三角帽子』を読んで

ペドロ・アントニオ・デ・アラルコン(1833-1891)の不朽の名作『三角帽子』は、民間伝承からとった逸話を、実に魅力のある、愉しい軽妙さで叙述した悲喜劇です。物語もスペイン文学で知られている最も愉快...
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ガルシア・ロルカの『ドニャ・ロシータ』

フェデリコ・ガルシア・ロルカの詩劇:『花言葉あるいは老嬢ドニャ・ロシータ』(Doña Rosita, la soltera o El lenguaje de las flores) を6年ぶりに読み返...
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ティルソの戯曲『宮廷のはにかみ屋』

作者ティルソ・デ・モリナ(1583-1648)はカルデロンデ・ラ・バルカおよびロペ・デ・ベガと並び、スペイン黄金世紀演劇の<三巨匠>と称されます。この作者の『セビーリャの色事師と石の招客』および『不信...
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エスプロンセーダの物語詩『サラマンカの大学生』

最近、ホセ・デ・エスプロンセーダの物語詩『サラマンカの大学生』を読みました。  エスプロンセーダ (1808-1842) はロマン主義という19世紀の新しい文学運動の典型的作家とされています。生涯を烈...
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ブレトン・デ・ロス・エレロスの戯曲『一度死ねば分るよ』

19世紀のロマン主義演劇のなかでもブレトン・デ・ロス・エレロス(1796-1873)は喜劇作家として最も多作かつ多彩な作家であるといわれます。およそ200篇近くもの作品を発表し、そのうちの一つがこの愛...
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カルデロン・デ・ラ・バルカの『驚異の魔術師』

ロペ・デ・ベガ亡きあと17世紀の終リまで、カルデロン・デ・ラ・バルカはスペイン演劇の王者でした。彼の『人生は夢』および『サラメアの村長』は先にご紹介しましたが、ここではバロック的な宗教劇である『驚異の...
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アラルコンの『壁に耳あり』

先にフアン・ルイス・デ・アラルコンの作品『疑わしき真実』をご紹介しましたが、最近同じ作家の『壁に耳あり』(1628)を再読しました。上層階級の悪弊や腐敗を鋭くつく風刺の精神は現代の社会派劇作家の高い評...
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アソリンの『ドン・キホーテの旅路』を読んで

アソリンの本名はホセ・マルティネス・ルイス。1874年生まれの、いわゆる「98年世代」の作家です。この世代の作家たちは、1898年の米西戦争に敗れプエルトリコ、キューバ、フィリピンなどを失い、政治、社...