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翁草

ペレス・ガルドスの『マリアネラ』

ほぼ20年近く前に一読したベニト・ペレス・ガルドス(1843-1920)の抒情性豊かな秀作『マリアネラ』を取り出し、再読しました。セルバンテス以降最高の作家とも謳われたガルドスは19世紀のスペイン写実...
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モラティンの戯曲『娘たちのハイ』

作者レアンドロ・フェルナンデス・デ・モラティン(1760-1828)は、18世紀スペイン演劇の最も輝かしい代表者とされ、また<アフランセサード(フランス追随派)>の典型ともいわれます。フランス古典劇の...
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アグスティン・モレートの戯曲『侮蔑には侮蔑』

アグスティン・モレート(1618-1669)は、神父を務めたこともあるスペイン黄金世紀の劇作家です。この作品の主題は、恋する相手にはこちらから積極的に近づくのではなく、逆に冷たくあしらうことによって相...
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ベネズエラ大統領選挙の結果について

ベネズエラで7月28日に行われた大統領選挙で、現職のニコラス・マドゥーロ氏の再選が政府お抱えのCNE(選挙管理委員会)によって発表されました。しかし、投票結果を示す証書も公表されず、選挙プロセスが極め...
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セルバンテスの幕間劇 『ダガンソ村の村長選挙』

セルバンテスの8篇の幕間劇のうち 『離婚係の判事さん』 は先に紹介しましたが、今回は『ダガンソ村の村長選挙』を覗いてみたいと思います。 この作品は16世紀末にトレド県のダガンソ村で実際に起きた歴史的事...
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アソリンの『田舎の町々』

アソリン(ホセ・マルティネス・ルイス)は繊細かつ綿密な作家で、ありふれたものに特別な愛着を抱き、大げさなことは軽蔑する人のようです。彼は人生のはかなさ、死の速やかさについて鋭敏な感覚をもち、このはかな...
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『江戸川柳―俳風柳多留―』の日西対訳版が出版されました!

この度スペインのHiperión社から『江戸川柳―俳風柳多留―』の日西対訳版が出版されました。 「誹風柳多留」は、いつの世にも誰にでも親しめる人間味溢れる川柳集です。軽妙卑俗な五・七・五の十七音の世界...
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Zoom ウェビナー講演のご案内

今般以下の要領で私の講演が行われることになりました。ご都合がつきましたらご視聴願えれば幸いです。日 時2024年4月18日(木)21:00-22:30(日本時間)形 式ZOOMによるウエビナー講演題「...
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ラ・セレスティーナ ― カリストとメリベアの悲喜劇 ―

半世紀以上も前にメキシコで購入した「スペイン古典文学全集」全185巻の中から、最近 『ラ・セレスティーナ ―カリストとメリベアの悲喜劇― 』(上下)を取り出して読んでみました。 15世紀末、カトリック...
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ロペ・デ・ベガの戯曲『フエンテ・オベフーナ』

ロペ・デ・ベガ (1562-1635) はスペインの「黄金世紀」を代表する作家の一人で、<<自然の怪物>>と称され、十歳のころから書き始めています。彼の生涯はまるで小説のような冒険と、烈しい情熱と、中...