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翁草

カルデロン・デ・ラ・バルカの『沈黙に勝るものなし』

ペドロ・カルデロン・デ・ラ・バルカ(1600-1681)は夥しい数のコメディア<喜劇>を遺しており、そのうちの4篇はすでにこの欄でもご紹介しましたが、今回は悲劇ともいえる甘酸っぱい後味の<喜劇>です。...
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『スペイン語で唱える般若心経』が出版されます!

来る5月27日、神戸の大盛堂書房から『スペイン語で唱える 般若心経』が出版されます。 『般若心経』は大乗仏教の根本思想とされる空の思想を説いた経典で、大乗仏教の教理がこの短い一巻のなかにすべて納まって...
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ベッケルの『伝説集』

グスタボ・アドルフォ・ベッケル(1836-1870)はスペインの国民的詩人ですが、健康と家庭に恵まれず、不遇の生涯を送った末に夭逝しました。死後に唯一の詩集『抒情詩集』を遺し、スペイン近代詩の源流とし...
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ピオ・バローハの『この世はかくの如し』

ピオ・バロハ(1872-1956)はバスク人で懐疑的な人物を描く一方でピカレスク風の作品もあります。医学を修めたのち、ひたすら小説の執筆に専念して「98年世代」を代表する作家の一人となりました。この作...
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ベネズエラ政権の不当な居座りについて

ベネズエラのマドゥロ大統領は1月10日、3期目の就任式を強行しました。大統領選で不正があったとの疑念を拭えないまま、続投の既成事実化を進めるもので、民意を無視した居座りと断ぜざるを得ないでしょう。昨年...
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ミゲル・デ・ウナムーノ の 『霧』

昔マドリードの学生寮で読んだウナムーノの『霧』を取り出して再読しました。ミゲル・デ・ウナムーノ(1864-1936)はいわゆる「98年世代」を代表する作家です。1898年はキューバをめぐるスペインと米...
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ペレス・ガルドスの『マリアネラ』

ほぼ20年近く前に一読したベニト・ペレス・ガルドス(1843-1920)の抒情性豊かな秀作『マリアネラ』を取り出し、再読しました。セルバンテス以降最高の作家とも謳われたガルドスは19世紀のスペイン写実...
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モラティンの戯曲『娘たちのハイ』

作者レアンドロ・フェルナンデス・デ・モラティン(1760-1828)は、18世紀スペイン演劇の最も輝かしい代表者とされ、また<アフランセサード(フランス追随派)>の典型ともいわれます。フランス古典劇の...
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アグスティン・モレートの戯曲『侮蔑には侮蔑』

アグスティン・モレート(1618-1669)は、神父を務めたこともあるスペイン黄金世紀の劇作家です。この作品の主題は、恋する相手にはこちらから積極的に近づくのではなく、逆に冷たくあしらうことによって相...
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ベネズエラ大統領選挙の結果について

ベネズエラで7月28日に行われた大統領選挙で、現職のニコラス・マドゥーロ氏の再選が政府お抱えのCNE(選挙管理委員会)によって発表されました。しかし、投票結果を示す証書も公表されず、選挙プロセスが極め...