スペイン文学

翁草

フアン・バレーラの『ペピータ・ヒメネス』

 フアン・バレーラ(1824-1905)によるこの作品(1874)は19世紀スペインにおける最もポピュラーな小説とされています。作者は外交官兼政治家で数か国語に通じ、古典文学の原典とあらゆる土地の人間...
翁草

ガルシア・ロルカの『マリアナ・ピネーダ』を読んで

 フェデリコ・ガルシア・ロルカ(1898-1936、グラナダ生まれ)は20世紀スペイン文学における最も民衆的、かつ影響力の大きい詩人とされ、20世紀演劇の頂点に立つ劇作家と言われています。表題のマリア...
翁草

カルデロン・デ・ラ・バルカの『現世の大演劇』

 ペドロ・カルデロン・デ・ラ・バルカ(1600–1681)の作品は、すでにこのコーナーでも『人生は夢』、『サラメアの村長』および『驚異の魔術師』をご紹介しました。彼はイタリアとフランドルで兵士となり、...
翁草

ブレトンの戯曲『田舎者』

 19世紀のロマン主義演劇の作家として知られるマヌエル・ブレトン・デ・ロス・エレロスの戯曲『一度死ねば分るよ』は先にご紹介しましたが、今回は当時やはり大成功を収めた同作家の『田舎者』と題する喜劇です。...
翁草

アラルコンの『三角帽子』を読んで

 ペドロ・アントニオ・デ・アラルコン(1833-1891)の不朽の名作『三角帽子』は、民間伝承からとった逸話を、実に魅力のある、愉しい軽妙さで叙述した悲喜劇です。物語もスペイン文学で知られている最も愉...
翁草

ガルシア・ロルカの『ドニャ・ロシータ』

 フェデリコ・ガルシア・ロルカの詩劇:『花言葉あるいは老嬢ドニャ・ロシータ』(DoñaRosita,lasolteraoEllenguajedelasflores)を6年ぶりに読み返しました。『血の婚...
翁草

ティルソの戯曲『宮廷のはにかみ屋』

 作者ティルソ・デ・モリナ(1583-1648)はカルデロンデ・ラ・バルカおよびロペ・デ・ベガと並び、スペイン黄金世紀演劇の<三巨匠>と称されます。この作者の『セビーリャの色事師と石の招客』および『不...
翁草

エスプロンセーダの物語詩『サラマンカの大学生』

 最近、ホセ・デ・エスプロンセーダの物語詩『サラマンカの大学生』を読みました。 エスプロンセーダ(1808-1842)はロマン主義という19世紀の新しい文学運動の典型的作家とされています。生涯を烈しい...
翁草

ブレトン・デ・ロス・エレロスの戯曲『一度死ねば分るよ』

 19世紀のロマン主義演劇のなかでもブレトン・デ・ロス・エレロス(1796-1873)は喜劇作家として最も多作かつ多彩な作家であるといわれます。およそ200篇近くもの作品を発表し、そのうちの一つがこの...
翁草

カルデロン・デ・ラ・バルカの『驚異の魔術師』

 ロペ・デ・ベガ亡きあと17世紀の終リまで、カルデロン・デ・ラ・バルカはスペイン演劇の王者でした。彼の『人生は夢』および『サラメアの村長』は先にご紹介しましたが、ここではバロック的な宗教劇である『驚異...