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翁草

ティルソの戯曲『宮廷のはにかみ屋』

作者ティルソ・デ・モリナ(1583-1648)はカルデロンデ・ラ・バルカおよびロペ・デ・ベガと並び、スペイン黄金世紀演劇の<三巨匠>と称されます。この作者の『セビーリャの色事師と石の招客』および『不信...
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スペインの川柳 <<グレゲリーア>>

スペインにも川柳と似たグレゲリーア (greguería) という文芸ジャンルが存在することを最近知りました。作家ラモン・ゴメス・デ・ラ・セルナ(1888 –1963)の発案で、人々や事物についての、...
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ボルヘスの処女作『ブエノスアイレスの熱狂』

今年(2023年)はホルヘ・ルイス・ボルヘスの最初の著作『ブエノスアイレスの熱狂』(Fervor de Buenos Aires)が世に出てから、ちょうど100周年に当たります。同書は父親ホルヘ・ギジ...
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マリア・コダマ女史のご逝去

この3月26日、ホルヘ・ルイス・ボルヘスの未亡人でわれわれの永年の友人でもあるマリア・コダマさんがブエノス・アイレスにおいてご逝去されました。享年86才。ボルヘスの没後、「ホルヘ・ルイス・ボルヘス国際...
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エスプロンセーダの物語詩『サラマンカの大学生』

最近、ホセ・デ・エスプロンセーダの物語詩『サラマンカの大学生』を読みました。  エスプロンセーダ (1808-1842) はロマン主義という19世紀の新しい文学運動の典型的作家とされています。生涯を烈...
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『スペイン語で綴る土佐日記』が出版されました!

この度『スペイン語で綴る 土佐日記』が大盛堂書房より刊行されました。日本文学史上初めての日記文学であり、日本の女流文学に多大の影響を及ぼした『土佐日記』のバイリンガル版です。以下のチラシをご参照願いま...
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「21世紀の日本とその国際的役割」

最近ベネズエラのロス・アンデス大学アジア・アフリカ研究所から VISIONES SOBRE JAPÓN EN EL SIGLO XXI と題する本が刊行されました。その序文に私の「21世紀の日本とその...
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ブレトン・デ・ロス・エレロスの戯曲『一度死ねば分るよ』

19世紀のロマン主義演劇のなかでもブレトン・デ・ロス・エレロス(1796-1873)は喜劇作家として最も多作かつ多彩な作家であるといわれます。およそ200篇近くもの作品を発表し、そのうちの一つがこの愛...
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『出家とその弟子』の日西対訳版が出版されました!

この度スペイン(サラマンカ)の Sígueme 社から『出家とその弟子』(倉田百三作)の日西対訳版が出版されました。  親鸞とその息子善鸞、弟子の唯円の葛藤を軸に、親鸞の『歎異抄』の教えを戯曲化した宗...
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カルデロン・デ・ラ・バルカの『驚異の魔術師』

ロペ・デ・ベガ亡きあと17世紀の終リまで、カルデロン・デ・ラ・バルカはスペイン演劇の王者でした。彼の『人生は夢』および『サラメアの村長』は先にご紹介しましたが、ここではバロック的な宗教劇である『驚異の...