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翁草

『ラサリーリョ・デ・トルメスの生涯』

この作品(1554)はピカレスク(悪者)小説の走りで、作者不詳とされています。もっとも最近の有力説は、トレド生まれの歴史家・詩人・劇作家、セバスティアン・デ・オロスコ(1510-1579)の作であろう...
翁草

アラルコンの『疑わしき真実』を読んで

フアン・ルイス・デ・アラルコン(1580? – 1639)はスペイン黄金時代の重要な劇作家です。彼の作品の特徴はユーモアのある会話と人間の弱みを風刺する点にあるといえるでしょう。  同作家はヌエバ・エ...
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『女たちのラテンアメリカ』(下巻)

このたび五月書房新社から家内の新著『女たちのラテンアメリカ』の下巻が出版されました。 征服時代から20世紀に至るまでのラテンアメリカの歴史を彩った43人の女性が紹介されています。主人公の女性たちの波乱...
翁草

ロペ・デ・ベガの『国王こそ無二の判官』

ロペの戯曲『世の片隅にある農夫』については既にお話しましたが、今回は『国王こそ無二の判官』という同作家の別の戯曲をご紹介します。ロペの生涯はまるで小説のような冒険と、烈しい情熱と、中産階級的な徳行の混...
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ティルソの『セビリアの色事師と石の招客』

希代の女たらしとして知られる伝説的人物「ドン・フアン」はそもそもティルソ・デ・モリナ(1579 ?-1648) のこの作品によって定着したと言われます。その後モリエールの劇、バイロンの詩、モーツアルト...
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新刊書『スペイン語で辿る日本人の死生観』のご案内

本年4月15日、新刊書『スペイン語で辿る日本人の死生観』― 蜘蛛の糸・城の崎にて 他6編 ― (対面バイリンガルシリーズ) が(株)大盛堂書房より出版される予定です。当該チラシを 「写真集」・「出版物...
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ティルソの『不信心ゆえ地獄堕ち』を読んで

ティルソ・デ・モリーナ (1579 ?-1648)はカルデロン・デ・ラ・バルカおよびロペ・デ・ベガとともに、スペイン黄金世紀の演劇の<三巨匠>と呼ばれています。ティルソは伝説上の人物『ドン・フアン』を...
翁草

リカルド・ベーリョ氏の寄稿文

先に掲載しました「カルデロンの戯曲 『人生は夢』を読んで」 について、ベネズエラ出身の小説家兼文学評論家のリカルド・ベーリョ氏より興味深いコメントが届きましたので、同氏の了解を得た上で皆さんと共有させ...
翁草

ロペ・デ・ベガの『世の片隅にある農夫』

ほぼ15年ぶりにこのロペの戯曲(1617年)を読み返しました。  舞台はフランス。主人公は「農夫フアン」。農夫とはいえ、フアンは裕福な農園主で、首都パリ(王宮の所在地)からやや離れた静かな土地で、なに...
翁草

フェルナンド・バルボサ氏の寄稿文

先に掲載しました「カルデロンの戯曲 『人生は夢』を読んで」 について、コロンビアの日本研究者フェルナンド・バルボサ氏よりコメントが届きました。同氏の了解を得た上で皆さんと共有させて頂きます。  カルデ...