翁草

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セルバンテスの短編『びいどろ学士』

セルバンテスは、『ドン・キホーテ』第Ⅱ篇発表の2年前、すなわち彼の死の3年前に、12篇の『模範小説集』を発表しています。これらの短編だけでも、作者をスペインの第一級の名文家に列するに足るものと言えるで...
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フランシスコ・デ・ロハスの『王の他は容赦せぬ』

フランシスコ・デ・ロハス・ソリーリャ(1607-1648) は、スペイン黄金世紀の最も卓越した劇作家の一人とされています。また、この作品は16-17世紀におけるスペイン人の価値観、すなわち個人の名誉と...
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フアン・バレーラの『ペピータ・ヒメネス』

フアン・バレーラ(1824-1905)によるこの作品(1874)は19世紀スペインにおける最もポピュラーな小説とされています。作者は外交官兼政治家で数か国語に通じ、古典文学の原典とあらゆる土地の人間に...
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ガルシア・ロルカの『マリアナ・ピネーダ』を読んで

フェデリコ・ガルシア・ロルカ(1898-1936、グラナダ生まれ)は20世紀スペイン文学における最も民衆的、かつ影響力の大きい詩人とされ、20世紀演劇の頂点に立つ劇作家と言われています。表題のマリアナ...
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マリオ・ベネデッティの『俳句の片隅』

最近、コロンビアのフェルナンド・バルボサ教授のご紹介で、ウルグアイの小説家兼詩人マリオ・ベネデッティの『俳句の片隅』という本に出会いました。ベネデッティは20世紀ラテンアメリカにおける最も重要な作家の...
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カルデロン・デ・ラ・バルカの『現世の大演劇』

ペドロ・カルデロン・デ・ラ・バルカ(1600 – 1681)の作品は、すでにこのコーナーでも『人生は夢』、『サラメアの村長』および『驚異の魔術師』をご紹介しました。彼はイタリアとフランドルで兵士となり...
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ブレトンの戯曲『田舎者』

19世紀のロマン主義演劇の作家として知られるマヌエル・ブレトン・デ・ロス・エレロスの戯曲『一度死ねば分るよ』は先にご紹介しましたが、今回は当時やはり大成功を収めた同作家の『田舎者』と題する喜劇です。喜...
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アラルコンの『三角帽子』を読んで

ペドロ・アントニオ・デ・アラルコン(1833-1891)の不朽の名作『三角帽子』は、民間伝承からとった逸話を、実に魅力のある、愉しい軽妙さで叙述した悲喜劇です。物語もスペイン文学で知られている最も愉快...
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ガルシア・ロルカの『ドニャ・ロシータ』

フェデリコ・ガルシア・ロルカの詩劇:『花言葉あるいは老嬢ドニャ・ロシータ』(Doña Rosita, la soltera o El lenguaje de las flores) を6年ぶりに読み返...
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ティルソの戯曲『宮廷のはにかみ屋』

作者ティルソ・デ・モリーナ(1583-1648)はカルデロンデ・ラ・バルカおよびロペ・デ・ベガと並び、スペイン黄金世紀演劇の<三巨匠>と称されます。この作者の『セビーリャの色事師と石の招客』および『不...